チョコレボガーナプロジェクト

7.カカオ生産の成果と今後の課題 旅を終えて感じたこと

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今回視察同行したプロジェクトは、CIガーナ・オキアミさんのリーダーシップのもと、プロジェクトマネージャーのヨウさんほか専門性を備えた優秀なスタッフと、フェアトレード協同組合や政府機関などが効果的に連携し、技術的・経済的な裏付けを持つ優れたものでした。 しかし、何より感銘を受けたのは、地元生産者の意識の高さと積極的な参加姿勢。そして、生産者をそこまで導いて来た、CIスタッフの努力の証である彼らの信頼の絆でした。貧困を克服し、自らの仕事に誇りをもち、自然を守りながらその恩恵により生きていく人々──。この遠いアフリカの地で、環境と自分たちの生活の両方に向けて努力し、その大切さを子どもたちにも伝える人びとによって、地球の持続可能性が守られているのだと感じました。それを使命と感じている彼らに、私は尊敬と感謝の念を抱かずにいられませんでした。
また、誇り高い勤勉なカカオ農家の人々はどこか、昔の日本農村における実直な人々を思わせるものがあり、ほのぼのとしたホスピタリティに溢れています。
「国は遠く離れていても、人々の心はとても近い。そのことを日本に伝えたい」
私の言葉に、うなずく彼らの笑顔は本当に温かいものでした。
「日本のチョコレボはガーナに行き、ガーナのチョコレボに出会えましたね」という岸さんの言葉に、私も深く同感しました。 しかし彼らのように、環境に配慮したカカオ生産で自立できる人は、ガーナの主力産業を支える約35万人のカカオ生産者のうちの、極わずかなモデルケースです。大多数のカカオ生産者が、まだまだやっとの思いで貧しい暮らしを支えているのです。
「この取り組みをカクム国立公園の周辺から、カカオ栽培の中心地に広げたい」
オキアミさんとヨウさんは、熱く語ります。フェアトレードで自立のきっかけをつくり、森林を守りながら持続可能な安定した暮らしができる仲間がもっともっと増えること。それによってよりたくさんの子ども達が教育を受け、自然が守り継がれていくこと。それらを、体験した生産者自身が一番望んでいるのでした。クアパココ組合の話によると、組合で集めたカカオのうち、フェアトレードチョコレートの原料のカカオとして出荷されるのは、わずか7%。カカオ自体はフェアトレードの基準を満たすレベルですが、まだまだ需要が少なく、せっかくのカカオがフェアトレードチョコとして市場に出ないケースがほとんどなのです。そんな、人と地球にやさしいカカオをまじめに作っている現地生産者の人々を応援するために──。チョコレボは、日本のチョコレートファンの間にもっと、『人と地球にやさしいチョコ』のニーズを創り出したい! この素晴らしい、笑顔を伝えるハッピーで美味しいチョコレートのプロジェクトを、日本の皆さまのご協力のもと創っていきたい! と思いをあらたに致しました。

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